日本時間生物学会

日本時間生物学会学術奨励賞

第9回 (2011年度) 日本時間生物学会学術奨励賞の授賞者が決定いたしました。

第9回 (2011年度) 日本時間生物学会学術奨励賞の授賞者は,選考委員会における厳正な審査と理事会の承認を経て,下記の通り基礎科学部門1名,臨床社会部門2名(50音順)を決定しました。

氏名:安藤 仁
所属:自治医科大学医学部薬理学講座臨床薬理学部門

氏名:栗山 健一
所属:(独)国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 成人精神保健研究部

氏名:中畑 泰和
所属:奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス研究科 遺伝子発現制御


第9回 (2011 年度) 日本時間生物学会学術奨励賞 選考委員会
柴田重信(委員長)、内山 真、大塚邦明、粂 和彦、深田吉孝

日本時間生物学会学術奨励賞の選考基準 (日本時間生物学会会則(2005年7月改定)内規より)

1) 時間生物学領域で顕著な業績をあげ、今後の活躍が期待される若手研究者を表彰する。
2) 本章受賞者の年齢制限は、原則として応募時点で37歳以下とする。
3) 上記の目的で理事の中から委員長1名、委員4名より成る選考委員会を設け、公募により募集した候補者の中から本章受賞者を原則として毎年基礎・科学部門1、臨床・社会部門1の計2名選定し、賞金を贈呈する。
4) 委員会は毎年設置し、委員長及び委員を理事会が理事の中から選出し、選考委員の任期は理事の期間とする。


第8回 (2010年度) 日本時間生物学会学術奨励賞の授賞者が決定いたしました。

第8回 (2010 年度) 日本時間生物学会学術奨励賞の授賞者は,選考委員会における厳正な審査と理事会の承認を経て,下記の通り基礎科学部門3名(50音順),臨床社会部門該当なしと決定しました。

氏名:明石 真 氏
所属:山口大学時間学研究所 教授
研究課題名:時計遺伝子発現振動の分子機構解析および低侵襲測定法開発

選考理由
候補者は,哺乳類の概日時計の分子機構に関して,MAPキナーゼの光同調能や自律的リズム継続機構への関与,Bmal1転写制御に関わる新規時計関連因子RORαの機能の解明,哺乳類培養細胞系における温度補償性の検証など,数々の優れた成果を上げてきた。さらに,最近ではヒトの時計遺伝子発現を,体毛サンプルを用いて簡便に測定する系を確立することに成功し,ヒトの分子レベルの時間生物学研究にも今後大きな展開が期待される。このように,明石氏の研究の射程は概日時計の基本制御の理解から診断技術の確立に及んでいる。また,京都大学,大阪バイオサイエンス研究所,佐賀大学を経て最近山口大学時間研究所で研究室を立ち上げており,今後ますますの活躍が期待される。


氏名:広田 毅 氏
所属:カリフォルニア大学サンディエゴ校 研究員
研究課題名:哺乳類における末梢概日時計の分子機構

選考理由
哺乳類の培養細胞系を用い,グルコースやTGF-βによる概日同調経路を発見した。これはPer遺伝子の一過的発現を伴わない新規の概日同調経路として注目され,末梢時計同調機構の理解の深化に貢献した。その後渡米し,ヒト培養細胞系における概日遺伝子発現プロファイルへの低分子化合物やRNAiの影響をハイスループットにスクリーニングできる系を確立した。この新たな方法論により,従来知られていなかった様々な時計制御分子候補を見出し,分子レベルの概日時計研究に新たな展開をもたらしつつある。さらに,広田氏は,第13 回日本時間生物学会学術大会および併催の第22 回国際生物学賞記念シンポジウムの事務局長を見事に務めるなど,学会運営にも手腕を発揮しており,今後の時間生物学界の発展への貢献が強く期待される。


氏名:安尾しのぶ 氏
所属:九州大学大学院農学研究院 准教授
研究課題名:脊椎動物の光周性を支配する脳内メカニズムの解明

選考理由
安尾氏は,動物の光周性のモデルとしてのウズラの時計遺伝子のクローニングや日長依存的遺伝子発現プロファイルの解析を手掛け,鳥類の視交叉上核の同定,光周性の中枢部位における時計遺伝子の発現解析,光周性制御遺伝子の解明など,鳥類における光周性の分子機構の解明に重要な貢献をした。さらに,それらの機構が基本的には哺乳類でも保存されていることを示すとともに,光周性シグナルに関わるエンドカンナビノイドやメラトニン受容体の機能の解明を手掛け,極めて精力的に成果を発表し続けている。最近,九州大学に准教授として赴任し,自らが主宰する独立した研究グループを形成し,今までの光周性研究の延長線上に季節生物学と栄養学を踏まえた季節栄養学構想も提案しており,今後の活躍がさらに期待される。


今年度はとりわけ基礎部門で多数の優秀な応募者が集中し,審査委員一同大変悩みながら選考にあたり,嬉しい悲鳴をあげつつタフな議論を重ねました。その結果,初めて3名同時受賞ということになりました。受賞者の方々の研究のますますのご発展を期待しております。なお,安尾氏は女性初の受賞者になります。

今後とも若手の会員の皆様の本賞への積極的な応募をお願いたします。

第8回 (2010 年度) 日本時間生物学会学術奨励賞 選考委員会
岩崎秀雄(委員長代理)、大塚邦明、柴田重信、富岡憲治、三島和夫

日本時間生物学会学術奨励賞の選考基準 (日本時間生物学会会則(2005年7月改定)内規より)

1) 時間生物学領域で顕著な業績をあげ、今後の活躍が期待される若手研究者を表彰する。
2) 本章受賞者の年齢制限は、原則として応募時点で37歳以下とする。
3) 上記の目的で理事の中から委員長1名、委員4名より成る選考委員会を設け、公募により募集した候補者の中から本章受賞者を原則として毎年基礎・科学部門1、臨床・社会部門1の計2名選定し、賞金を贈呈する。
4) 委員会は毎年設置し、委員長及び委員を理事会が理事の中から選出し、選考委員の任期は理事の期間とする。


歴代受賞者

回数(年度) 審査部門 受賞者氏名 受賞時所属 受賞対象研究題目
第1回(2003) 岩崎 秀雄 名古屋大学大学院理学研究科・助手、科学技術振興事業団CREST研究員併任 シアノバクテリアの概日時計の分子機構
池田 真行 財団法人大阪バイオサイエンス研究所・研究員 体内時計ニューロンにおける長期細胞内Ca2+ダイナミクスの解明
第2回(2004) 吉村 崇 名古屋大学大学院生命農学研究科、高等研究院 脊椎動物の光周性の分子機構
第3回(2005) 基礎・科学部門 太田 英伸 東北大学病院周産母子センター助手 時計遺伝子による人工環境の評価
臨床・社会部門 村上 省吾 大阪医科大学附属病院 第3内科
第4回(2006) 基礎・科学部門 八木田 和弘 名古屋大学大学院理学研究科生命理学専攻 COE助教授 培養細胞を用いた哺乳類概日時計の研究
臨床・社会部門 該当者なし
第5回(2007) 基礎・科学部門 上田 泰己 理化学研究所発生・再生科学総合研究センターシステムバイオロジー研究チームチームリーダー 体内時計のSingularity現象の解明
大石 勝隆 独立行政法人産業技術総合研究所生物機能工学研究部門生物時計研究グループ主任研究員 高脂血症治療薬フィブレートによる体内時計の制御
臨床・社会部門 樋口 重和 国立精神・神経センター精神保健研究所精神生理部室長 生活環境光によるヒト生体リズムの調節作用とその個体差に関する研究
第6回(2008) 基礎・科学部門 小柳 悟 九州大学大学院薬学研究院 体内時計の分子機構を基盤にした抗癌剤の創薬・育薬研究
臨床・社会部門 該当者なし
第7回(2009) 基礎・科学部門 中村 渉 大阪大学生命科学研究独立アプレンティスプログラム 大学院歯学研究科口腔時間生物学研究室 特任准教授 概日行動リズムを制御する視交叉上核の階層的研究
臨床・社会部門 該当者なし
第8回(2010) 基礎・科学部門 明石 真 山口大学時間学研究所 教授 時計遺伝子発現振動の分子機構解析および低侵襲測定法開発
広田 毅 カリフォルニア大学サンディエゴ校 研究員 哺乳類における末梢概日時計の分子機構
安尾 しのぶ 九州大学大学院農学研究院 准教授 脊椎動物の光周性を支配する脳内メカニズムの解明
臨床・社会部門 該当者なし
第9回(2011) 基礎・科学部門 中畑 泰和 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス研究科 遺伝子発現制御
臨床・社会部門 安藤 仁 自治医科大学医学部薬理学講座臨床薬理学部門
栗山 健一 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 成人精神保健研究部
第10回 (2012) 基礎・科学部門 中村 孝博 帝京平成大学薬学部
羽鳥 恵 ソーク研究所
臨床・社会部門 久保 達彦 産業医科大学医学部
第11回 (2013) 基礎・科学部門 小島 志保子 Department of Neuroscience, University of Texas, Southwestern Medical Center
臨床・社会部門 駒田 陽子 東京医科大学
藤 秀人 富山大学大学院医学薬学研究部