JC表紙デザインコンペ2010

受賞作品ギャラリー

【優秀賞】 上田亜矢子
【優秀賞】 上田亜矢子
トラバーチンという石を彫って作った立体作品を撮影し、平面上に構成をして作りました。
トラバーチンというのは、主にイタリアで産出される大理石の一種です。地層の堆積が写し出されたような縞模様と、熱による力の作用が変化をもたらしたであろう多くの気泡が特徴的な石です。この石と向き合うと、太古の地球の想像が頭を駆けめぐります。
私は、2007年より「心に眠る図鑑」というテーマで、架空の生物の立体作品を制作してきました。日々、山や海、作業場周辺の何気ない自然の中で出会った生物たちの記憶を心に染み込ませて、トラバーチンという石の持つ魅力と向き合いながら想像力を深め、新たに架空の生物を造形していくという作業です。それは、心の底に眠っている図鑑のページをめくるような作業だと感じています。
今回は、その図鑑のページを平面作品として実際に作りあげてみようと思い制作をしました。立体作品を撮影することで残された光と影が、視覚的な奥行きにとどまらず、他の感覚へもそっと余韻を残すものでありたいと願っています。
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