JC表紙デザインコンペ2010

受賞作品ギャラリー

【佳作】 黒川徹
【佳作】 黒川徹
デザインとして用いた写真は、立体作品「ハゲヤマニツキ(禿山に月)」を夜に野外で撮影したものです。現実と幻想の入り混じった世界観をつくることを心がけました。素材は土を用い、手ひねりによって積み上げ、乾燥後、レンガをまわりに積み上げ、炎で焼き仕上げています。
私は、生命の根源的な形をテーマとして制作しています。生み出される作品群は、人のイメージの中に息づく生命体として提示しています。それは、生命を視覚的に模倣することではなく、私的な視点で生命の成り立ちや構造を理論化し、その論理をもとに形態へと具現化しています。しばしば、生命標本か生命図鑑を思わせる生物学用語を作品タイトルとして用いています。現実の生命の持つ構造と極めて似通っているものの、そのすべては虚構であるとも言えるでしょう。作品は静止した状態で止まり、時間という要素は極めて曖昧なものとなっているのです。人は時折、現実から離れ、自身の作り上げた虚構のイメージの中で生きます。不可思議な形態は、イメージの世界に種を残し、成長を続けていくと思えてならないのです。
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